はじめに
この記事ではエヴァンゲリオン新劇場版を主軸にTV版や旧劇場版の内容とも当てはめつつ本編では語られなかった空白部分の考察を書いております。
当記事ではエヴァンゲリオン3号機に関する考察をメインに書いております。
まだ本編を見ていない方にはネタバレになるかもしれない箇所があるかもしれませんので、予めご了承頂いた上で閲覧してください。
あくまで私個人として見解なので、情報不足や認識違い等もあるかもしれませんが、生暖かい目で見ていただけると助かります。
当記事は前回の記事で書いたエヴァ3号機に関する考察の続きです。
前回紹介したエヴァ3号機の考察記事は以下のものになります。
その1の考察ではエヴァ3号機譲渡の経緯や思惑について考察しましたが、今回はエヴァ3号機の真の利用目的について考察したいと思います。
エヴァ3号機譲渡後の違和感
ゼーレはエヴァ4号機と5号機の喪失に伴ったシナリオの修正をゲンドウに伝えています。
2機のエヴァ喪失と3号機譲渡の動きの早さから鑑みて、恐らく3号機譲渡は米国政府の名義ではあるものの、その根幹はゼーレのシナリオ修正の一環であると考察しております。
ここでの疑問は、3号機を使って何がしたかったのか?ということです。
表向きの理由はネルフ本部の戦力補強ですが、2号機がユーロから増援に来て日が浅いことと、バチカン条約によって日本のエヴァ保有数が上限いっぱいになっていることなどから、単なる米国政府の善意による譲渡ではないことはほぼ間違いないと思われます。
どうゆう訳か、ゼーレはネルフ本部への3号機の譲渡・運用を半ばゴリ押しに近い感じで行っています。
3号機の運用リスクを懸念したゲンドウは3号機譲渡よりも損傷した零号機修復の補正予算をゼーレに要望しましたが、試作機はもう用済みという理由から却下されています。
バチカン条約によって一国で3機以上のエヴァの保有は禁じられており、4機目を保有する場合は1機に封印措置を施さなければなりません。
合理的に考慮すれば、封印は損傷している零号機に施すべきなのですが、劇中では2号機が封印されてしまっています。
これは2号機がのパスがユーロ側にあるという理由です。
要するに、日本のネルフ本部に配備されておきながら2号機の管理権限はユーロネルフ側にあるということです。
当然零号機や初号機のパスはネルフ本部側にあるはずですが、この一連の流れはネルフ本部が零号機封印を決定する前に先んじてユーロが2号機封印を決定したと思われます。
このユーロの先手も前回の3号機考察と同様に国とゼーレの思惑が一致したものと考察します。
この場合の国というのはユーロ側です。
バチカン条約そのものが合理性より国家間の思惑が絡んだ代物なので、最新鋭機の3号機を運用する日本をユーロは面白く思わなかったということです。
ゼーレはネルフ本部に3号機を運用させると同時に2号機の封印を目的にしており、3号機譲渡の決定と同時にユーロに2号機封印を根回ししていたと考えられます。
恐らくユーロ単体ではここまで速くに動けなかったと思われます。
上からの指示ならば…という事と日本ネルフ本部への妬みも相まって疑問も異論もなく快く2号機封印を快諾したのではないでしょうか
これによって輸送の遅さを除いて3号機の譲渡から起動実験までの準備の流れに事務的な障害もなくスムーズに進行したのだと考察します。
結果的に3号機の運用はほとんどゼーレのテコ入れによって推し進められたようなものです。
3号機運用の真の目的とは?
ここまで手間を掛けて3号機の運用を推し進めたゼーレの目的とは何なのか?
この段階でゼーレは神となる真のエヴァンゲリオンの完成を急がせています。
『破』で冬月副司令が言っていたようにこれはエヴァMark6であると考えられます。
同時にゲンドウは初号機の覚醒を急がせています。
これはゼーレとゲンドウの腹の探り合いによる駆け引きの一環で、ゲンドウが欲した4号機(正確には生命の実と思われる次世代動力機関)とゼーレが欲した5号機が両者の裏工作で両者共喪失による痛み分けの引き分けで終わったことで、Mark6の完成と初号機の覚醒という駆け引きで再勝負をしているようなものです。
言わば3号機譲渡はゼーレの先手によるアクションです。
つまりこの3号機譲渡というアクションがゼーレのMark6完成に必要なものであったと考察します。
ゲンドウが3号機譲渡に対して消極的な姿勢だったのは、何であれゼーレが何かを企んでいる事を少なからず察していたのかもしれません。
文字通りタダより高いものはないってやつですねw
ところで、3号機を譲渡する前にゴルゴダベースからネルフ本部へダミーシステムが提供されています。
提供の経緯は語られていませんが、エヴァ運用の効率化を目的されているのは目に見えています。
とはいえ、エヴァ運用の根幹に関わることなので、やはりゼーレの意向を通さずして提供出来るものではありません。
運用実績が皆無だったことからこのシステムも3号機同様に完成直後にネルフ本部へ譲渡されたものと考えられます。
自分たちの成果を検分せずにそのまますぐ他所へ提供するなんて開発元の独断で考えるような事ではありません。
タイミングからしてゼーレの推し進めた3号機運用目的で考えられることがダミーシステムのデータ収集です。
ゼーレは米国の次世代動力開発のエヴァ4号機などと同じく、予てからゴルゴダベースにダミーシステムの開発を指示しており、試作品完成に伴って実戦運用テストを計画していたのだと考察します。
実のところ、3号機の使徒化暴走は、ダミーシステムの実戦データ収集にはもってこいの条件が勢揃いなのです。
ダミーシステムは性能から何から何までが未知数です。
ちゃんと動くのかどうかも怪しい代物で、いつどこで止まったり暴走するかもわかりません。
実戦テストをするにしても、特定の条件下でも運用できるのか?という検証が最優先課題になるかと思います。
3号機の暴走とダミーシステム搭載の初号機との戦闘で以下の条件下での検証が成立します。
・エヴァ同士の戦闘
・エヴァと使徒の戦闘
・有人機エヴァとの戦闘
・使徒化エヴァとの戦闘
多少乱暴ではありますが、3号機との戦闘でこれらの条件の検証が一括で出来るのです。
これらの条件下でダミーシステムはちゃんと動くのか?という検証がゼーレの目的の一つであったと考察します。
恐らく、ダミーシステムはエヴァMark6の自律制御化に大きく貢献する機能と思われるので、ゼーレはMark6完成までの一環としてシステムの完成を目指していたのだと考えられます。
つまり、ゼーレは3号機を意図的に使徒に侵食させ、ネルフでの起動実験時に使徒化した3号機を敵として、システム搭載の初号機で戦わせることで実戦テストを企てていたのです。
零号機が修理中で使えないことをいいことに2号機を封印させ、消去法でダミーシステム搭載の初号機を使わざるを得なくなるように仕向けていたのでしょう。
では何故このような複雑な条件のテストを企てたのか?
単にダミーシステムの実用化を目的としているなら、わざわざ当時最新鋭機の3号機を使ってこんな回りくどい計画をする必要はありません。
恐らくこれも後先を考慮したゼーレの計画です。
このテストの一番の目玉となる目的は、ダミーシステムが対使徒戦で使えることと対エヴァ戦で使えることの実証です。
つまりこの2つのケースを将来的に起こりうることを想定しているのです。
以前4号機での考察記事にも書いたように、ネルフなどのゼーレの下働き組織には予め組織が不要・反乱を起こした場合に備えてゼーレによる組織抹殺のプロトコルが仕込まれています。
ここで問題になるのは、反乱時にエヴァという強力な武器を使って抵抗された場合です。
本来の目的である人類補完計画と用済みになった組織を抹殺していく性質上、ゼーレは最終的に人や組織の手を頼り切れなくなります。
つまりゼーレは手足となる人や組織に頼らずとも抵抗勢力を粛清するためにダミーシステムを開発させていたのです。
同時にネルフが保有しているエヴァを潰し合わせて減らすことも兼ねた一石二鳥の計画だったのではないでしょうか?
仮にゼーレのシナリオの役割を終えた組織が尚もエヴァを保有されていてはゼーレにとっては脅威でしかありません。
真相を悟って計画阻止の戦力にエヴァを使われては厄介なので、『破』の時系列の段階から既にゼーレによる間接的なネルフ保有のエヴァの削減が行われていたのではないか?と考察しております。
以上が、私のエヴァ3号機に関する考察です。
しかし実のところ、まだよくわかっていない箇所があります。
この一連の3号機運用の目的が本当にダミーシステムのテストのためだけだったのか?という事です。
3号機に搭乗したアスカの第9使徒侵食が意図的に仕向けられたのか?どうかがよくわかりません。
シン・エヴァではエヴァ13号機の覚醒にアスカの使徒としての力が利用されています。
しかしシン・エヴァの段階に至ると、人類補完計画はゼーレよりもゲンドウの意向が強いものになっています。
ゲンドウが当時アスカの使徒侵食を狙っていたようにも思えず、ゼーレがそこまで考えていたかどうかも手掛かりになりそうなものがなくてわかりません。
つまるところ『破』と『Q』の間の話がわからなければ判断しかねます^^;
今後この空白が公式から語られる時が来るのかどうかは怪しいですが、考察は自由にできますので、ファンとしてはこうじゃないか?ああじゃないか?みたいなことを考え合うのもまた本作の醍醐味だと思いますw
私の3号機の考察が新たな考察のきっかけになったり、単に一つの考察としてお楽しみ頂けたなら何よりです!
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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