マンションや賃貸住宅の下の階に住んでいる時、二階の部屋の住人の騒音に悩まされるケースはよくあります。
かく言う自分も去年、二階に引っ越してきた住人の騒音に迷惑していました。
それもこの記事を書くつい数週間前まで続いていました。
ここ最近になってようやく収束を迎えるようになりました。
この記事ではその経験も踏まえて、騒音問題への対処について紹介していきたいと思います。
騒音問題と遭遇したら?
まず騒音の音源がどこなのかを明確にする必要があります。
二階、左右どちらかの部屋、または隣近所の家などがあります。
苦情を入れるにしても相手を特定しておかなければ不要なトラブルを増やすことになります。
最初は騒音が出している相手を間違いなく特定します。
たまたまその一日だけ騒がしかっただけなら苦情には至りませんが、定期的または連日連夜続くようなら苦情を出す必要があります。
我慢して放置しても相手からすれば『これぐらい騒いでも問題はない』と認識されるので基本的に改善はされません。
やってはいけないこと
騒音問題において自分は被害者の立場であっても絶対にやってはいけないものがあります。
それは以下のものになります。
・住人に直接苦情を伝える
騒音問題の苦情は基本的に当人同士では行いません。
これは喧嘩などのトラブルに発展することを避けるためです。
そのため賃貸住宅などの騒音問題の苦情・相談は全てその賃貸を管理する不動産会社に問い合わせることになります。
・反撃をする
相手の騒音に対して対抗したり『うるさい』と意思表示するために壁や天井を叩くなどする行為は自分も騒音源として扱われる場合にもなるので基本的にやってはいけません。その他の相手に危害を加えるような嫌がらせ行為全般も同様です。
苦情の出し方
前述したように騒音の苦情や相談はその賃貸を管理する不動産会社に問い合わせます。
不動産会社に騒音被害の内容を伝えると当日または翌日には騒音の家主に騒音を控えるように苦情を入れてくれます。
相手が常識的な人間ならこの一回で解決できるのですが、実際にはそうでないケースの方が多いです。
また騒音を立てられるようならその都度不動産会社に問い合わせます。
警察に通報する
不動産会社に再三苦情を入れてもらっても改善の気配がないと次の手段を講じます。
それが警察への通報です。
事件でもないのに警察に通報してもいいのか?と、思われるかもしれませんが、警察は近隣住民の騒音問題にもちゃんと対応してくれます。
騒音問題が特に深刻になりやすい深夜帯の時間なんかでは不動産会社は即座に対応できないのでむしろ警察の方が頼りになるとも言えます。
24時間対応してくれますので、騒音が立てられているその場で通報し、騒音で迷惑している旨と場所や自分の名前、連絡先などを教えれば警察官を派遣してくれます。
匿名で通報することも可能ですが、また通報するケースが発生する可能性や何かしらの連絡事項や対応等の伝達を考慮したら名前と連絡先は教えておいた方が後が楽だと思います。
派遣された警察官は直接騒音を立てている住人に注意をしてくれます。
その際、誰が苦情を出したのか?はちゃんと秘匿してくれます。
苦情としての効力は不動産会社よりも強力です。
ただしあくまでも注意のみで事件としては扱われないため、逮捕などには至りません。
ですが連日の騒音による通報などで住人が警察官の注意を再三無視した場合、軽犯罪法第1条14号「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」は、拘留又は科料に処する として軽犯罪法違反の罪で法的に逮捕の対象になりえます。
しかしこれは逮捕に至るまでの目安が示されていないため、単に何度も通報するだけでなく、騒音被害を受けているという証拠をある程度用意しておく必要があると思われます。
または実際に警察官が『これは酷い騒音だ』と認識できる現場に居合わせない限り逮捕までは難しいと思われます。
証拠の揃え方についてはこれから後述していきます。
いくら苦情を入れても改善されない場合
この段階まで来ると怒り煮えくり返るけど、どうしたらいいかわからない…みたいな状態になっていると思います。
しかし残念ですが、基本的には根気良く苦情を入れていくしかありません。
ですが最後の手段として、法的な措置をする方法が残っています。
とは言うも、措置を行使するまでの道のりは非常に長いのです…。
法的措置を検討する
警察にしろ不動産会社にしろ騒音被害を改めない住人に強固な措置を取る術はあります。
しかしそれを行使するには多くの証拠を揃える必要があるのです。
基本的に騒音問題は目で見てわかるような被害で表すことが難しいため、警察でも立件することが難しいとされています。
そこで騒音に悩まされているという事実を証明する証拠を揃える必要があります。
証拠を揃える
主な騒音を示す証拠として録音機による騒音の録音というのがありますが、方法としてはおすすめできません。
これは実際に聞く音よりも小さく収録されてしまうなどしてどれぐらいうるさいのか?を正確に確認することができないからです。
この時間にこんな音を立てていますという参考程度にしかなりません。
動画撮影をする
証拠として最も効力が強いのは、騒音計による計測とその撮影動画です。
音を数値化し、実際にその騒音を立てている状況の一部始終を撮影しておけば例え動画音声が小さくても騒音計の数値が異常値を示している場面があれば証拠として警察にも不動産会社にも提出することができます。
動画撮影の最初に撮影日時がわかるようなものを示しておけばより証拠として成立します。
(日付表示もある電波時計やスマホ・タブレットの時計画面など)
騒音計は機材だけでなくアプリでも無料で配信されています。
実際にアプリの騒音計もちゃんと機能しますが、機材の騒音計より精度が劣ること、また何よりスマホだと動画撮影時に画面が小さくて数値を確認しにくかったり、光で反射して画面が見えないなどの難点があります。
騒音の数値の目安は環境省の環境基本法に定められております。
騒音の目安は
昼間の騒音は55デシベル以下、夜間の騒音は45デシベル以下
と、されております。
これらのdb(デシベル)の数値を上回った場合、一般的に騒音として認識されます。
動画撮影して証拠にするには、この数値を上回っている状況を撮影する必要があります。
また、証拠は多いに越したことがないため、一つ二つの動画だけでは『その日だけたまたまうるさかっただけでは?』と指摘されかねないので、騒音が立てられた日を都度計測・撮影して何週間かまたは1ヶ月かそれ以上の分の動画を揃えておく必要があります。
騒音問題を立証するにはそれだけ膨大な証拠が必要になるため、不動産会社も警察もこの問題への対処を忌避している節が若干あります。
診断書を作る
騒音被害を受けているという証拠のもう一つが診断書です。
騒音が原因による頭痛や聴力の低下などの体調不良を示す診断書をお医者さんに作ってもらうというものです。
これは動画と共に不動産会社や警察に騒音の被害届を出す際の証拠として効力を発揮します。
不動産会社においては裁判による騒音主の強制退去、警察においては傷害事件等として立件されることになります。
(ここまで至る前に騒音主は流石に改善するとは思いますが…)
強制退去や被害届を考えていなくても証拠を揃えておくだけでより強い注意をしてもらえるようにはなります。
結論として、騒音問題の基本は不動産会社への問い合わせと証拠を揃えておくことです。
【おまけ】神倉テツの遭遇した騒音問題
昨年2021年の秋頃、夏に二階に引っ越してきた住人が深夜になって友達を上げて騒ぎ出す事案が発生。
20~30代ぐらいの男女3~4人が大学生のノリでたまり場状態になりました。
しかし後に彼らは大学生ではなく、れっきとした会社勤めの社会人であることが判明。
部屋も法人名義での契約でした。
騒音は20時頃から始まる時もあれば日付が変わった深夜1時頃や3時頃から騒ぎ出す時もしばしば。
大声や笑い声、転げ回るような物音にドアを思いっきり閉める音など。
普通に夜中にそれらで起こされます。
最初は金土日のいずれかで起こっていたものが冬になると平日でも不定期に始まるようになり、年明けた2022年1月からはほぼ毎日騒がれる羽目になりました。
不動産会社からの苦情約4回、不動産会社から注意の手紙投函3回、警察へ通報3回。
まさかこれだけやっても改善されないとは思いもしませんでした…。
証拠を揃えて被害届を検討しようとした矢先、少し別の方法で苦情を出すことにしました。
私がタクシー乗務員として働く性質上、騒音による睡眠不足は事故の危険にもなる営業妨害にも等しい問題です。
その事を会社の上司に説明し、会社としても苦情の意思を表明するという言質を得ることで不動産会社への圧力と同時に二階の契約主である法人の社長にも営業妨害になっている旨を当日中に伝え、その苦情を入れた後の返答を私に伝えるように不動産会社に強く言いました。
そこでようやく不動産会社も強気の苦情を当日入れてくれたようで、不動産会社の社長自らが苦情を入れた旨を連絡してくれました。
契約主の社長も面食らったそうで、その日の内に住人へ厳重注意をしてくれたとのことです。
そうして騒音は自粛され、最近になってようやく静かに眠れるようになりました…。
やっぱり法人には法人からの苦情が強いですね…w
これがもしダメだったらいよいよ動画撮影や診断書を揃えて法的措置に出る覚悟でした…。
正直警察の通報一度ぐらいで大抵は解決すると思うのですが、私の場合はかなりのくせ者でした…。
【続報】
この記事の投稿後も騒音問題は度々発生していました。
当初よりは多少控えめにはなったものの、そもそも夜中に友達を部屋に入れて騒がないで欲しいと再三苦情を入れているにも関わらず長く持っても二週間後には再び騒ぎ始めます。
その度に警察や不動産に苦情の電話を入れてを繰り返し続けたつい最近のこと。
またしても落ち着いたかと思ったら友達を入れて夜中に騒ぎ始めた。
時間は20時頃から深夜2時頃まで。
以前ほど大きな騒音ではないものの、30分や1時間ぐらいの感覚でドシン!みたいな大きな音や笑い声が響くので度々起こされます。
夜中だったのでしんどくて警察に通報する元気もない。
その日まともに熟睡できたのは夜中の2時半ぐらいからでした。
ちなみにこの日は平日のど真ん中で、生活はもちろん仕事にも支障を来たします。
もちろんその日の朝、早速不動産に苦情を入れました。
ここまでの経歴としては以下の通りです。
・不動産からの注意書き投函 3回
・警察への通報 10回
・不動産への苦情 20~30回
この結果、こちらももうキツ過ぎず穏便に…なんて相手に遠慮する気にはもうなれず、率直な気持ちとして、『もうルールもマナーも守れないならとっとと出て行け』と不動産に部屋の契約者に私がそのように言っていたと伝えてくれと言いました。
契約者は法人でその従業員?と思われる人が住んでいたので住民には直接苦情入れずに契約している法人に直通で苦情をするように不動産へ要請しています。
するとその日の内に不動産から電話が来ました。
内容はかの住人の契約解除の連絡でした。
こちらからの再三の苦情がようやく聞き入れられたようです。
元々これには数週間前からその兆候がありました。
というのも、その前に苦情を出した翌日から異様なまでに静かになっていた日が続きました。
それまで多少騒がしくなる時が度々あったのですが、その週は本当に今までが嘘だったかのような静かな夜が毎晩続きました。
これは私の憶測ですが、恐らく住民は契約主である法人の人から『次苦情が来たら契約解除するからな?』みたいな釘を刺されていたのではないかと思われます。
これで事態はもう丸く収まっただろうと思っていた矢先に今回の苦情という流れになりました。
友達と酒でも飲んでいたのか、それまでの静けさをぶち壊すような騒ぎっぷりでした。
そして朝には不動産へ苦情を入れるとその日の内に契約解除の連絡が来て、来月に解除という形式ではあるも退去は1週間前後で完了する予定という随分スムーズなスピード退去です。
このスムーズさは自分の憶測が当たっていたのではないかと思います。
余談ですが住民はいかにもな感じの女の輩です。
たまにいかにもな感じの男の輩を3人も連れ込んで一夜明かして騒いでいる時はドン引きしました。
謝罪しに来た時やたまに徒党を組んで外出している姿も見かけていたので相手がどんな感じの人間なのかは知っていました。
あれだけ苦情を入れても学習しないのには流石に参りました…。
改めて教育やしつけの重要性を痛感しました…。
今後、新たに越してくるかもしれない住人が常識的な人間であることに期待します。
これから新生活で賃貸で暮らす人、現在進行系で騒音問題で悩まされている方などの参考になってもらえれば幸いです。
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